今でもあの頃の記憶は、鮮明に残ってるんだよ

何度思いだしても懐かしい、あの頃。
初めてのパートナーである、アンテロのリディア。
あの子と二人だけで、夜の丘をよく散歩していた。
先に襲ってくるモンスターを倒しておけば、危険なんてなかったから。
川の上で舞う蛍。
夜空に輝く星。
崖の上から見渡した、世界。
それらはすべて、美しい景色だったのを今でも覚えている。

「ルーグ!!」
私の横をすり抜けて、モンスターに襲いかかるのは青い目をしたギンギライガー。
当たり所が良かったのか、一撃でモンスターが倒れる。
それに喜ぶ間もなく、次のモンスターへとターゲットを移した。
現在の時刻は大体正午を少し過ぎたころ。
駆け抜ける大地は、懐かしいあの丘。
災厄のせいでか、色がくすんでいるように思えた。
穏やかだった丘に住むのは、凶暴なモンスター達。
あの頃のように、穏やかな時を過ごすことは出来そうにない。
懐かしい地を踏むことが出来たのはとてもうれしいけれど。
この変化が、とても哀しかった。

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